映画館の仕事・バイト

営業と映写

映画館の従業員(アルバイトを含む)の仕事には、それぞれの会社のスタイルによって微妙な変化が見られます。とある独立系興行会社に属する劇場の支配人は、「映画館の仕事はおおまかに言うと、"営業"と"映写"です」と語ります。ここで言う営業とは、上映作品を確保し実際に劇場で上映するまでの過程全体を指しています。

系列には番組編成がない

大手映画会社の直営館や独立の興行会社でも系列に属している場合は、本社興行部による番組編成に従って作品を上映することになり、それ以外の劇場のように独自の番組編成を行うことはまずありません。

独立系は劇場が編成

対して、系列に属さないロードショー館や独立系の名画座やミニシアターは、各劇場が番組編成を行うことになります。そして、この両者の要素を併せ持っているのがシネコンだとも言えます。

劇場支配人

いずれにせよ、番組決定の権限を持つのは本社興行部であったり、劇場支配人、マネージャーなど責任ある立場につく人間です。

ボスター貼りやチラシの配布

上映作品が決定すると、映画館の仕事は宣伝の段階に移ります。劇場が個別に行う宣伝は、形態や規模によりその仕事内容が千差万別です。宣伝方針を決め、それを具体化していくのはやはり責任ある立場の人たちですが、ボスター貼りやチラシの配布、プレイガイド等での宣伝活動などは、劇場の現場スタッフが活躍する場でもあります。

学生アルバイト経験者の話

学生時代に映画館でのアルバイトを経験したあるライターは、「ポスターを貼ってもらったり、チラシを置いてもらうために、繁華街の喫茶店やラーメン屋、人の集まりそうなスポットはとにかく一軒一軒、訪ねて回りました。少しでも目立つ店、目立つ場所を確保するのに必死でしたね」と当時をふり返ります。

映画館とは"接客業"である

上映と館内サービス

作品選定、宣伝を終えると、いよいよ作品の上映となります。映画館への就職・転職活動について取材をした、シネコンを含むいくつかの劇場、興行会社の担当者の方たちが口を揃えて言う言葉が、「一番頭に入れておいてほしいのは、何よりもこの仕事が完全な接客業であるということです」ということでした。

入場チケットの販売・改札

入場チケットの販売(これは機械化されている場合も多い)、チケットの改札(いわゆるモギリ)、場内の案内、混雑時の整理、クレームへの対応や処理、プログラム・関連グッズなどの物販、飲食物等の販売(カフェなどが併設されている場合も多くなっている)、館内の清掃どなど。

映写技師は不在に

これらすべてが劇場の現場スタッフの仕事です(売店や清掃などは専門の業者に任せる場合も)。ただ、最近は全自動映写機やデジタル映写がごく当たり前となり、専門映写技師が常駐せず、劇場スタッフが映写機の操作まで行うことも珍しくありません。

映画好きだけでは困難

「興行の仕事は、単に映画が好きだからというだけでは難しいと思います。何か変な幻想を抱いている人は意外と長続きしない。基本はあくまで接客業だから、人と接することが好きだというのが第一」

サービス業

「基本的に映画が好きであることが望ましいとは思う、さすがに、映画に興味がないという人は論外。でも、それよりも重要なのは、劇場の仕事がサービス業であるということを忘れずにいられるかどうか。そちらの適性の方が優先されると思う」

設備やシートの座り心地

映画ファンならば、日頃の経験をふり返ればすぐにわかることでしょう。今、我々は「そこで何が上映されているか」だけではなく、「その映画館の設備はどこが優れているか」「シートの座り心地」「どんな接客サービスが行われているか」を劇場選択の一助にしています。それはまさに映画館が接客業であることの証明です。